通販サイト運営で感じる夢や希望と恐怖と現実
私は現在の通販サイト会社へ中途採用していただき、今日まで働いておりやす。
自社の立ち上げ話や当時の受注規模、出店モール数を聞いていますと「あー当初は大変だったんだなぁ」なんて思ったりします。
しかし、今自社の業績は右肩上りで売り上げ規模も当初から5年かそこらで100倍以上にも膨れ上がったようでして(決して自慢とかじゃない)。
そういう話を聞きますと通販サイトやEC業界に対して夢や希望、可能性を抱くと同時に、一抹の不安が拭いきれない気持ちもありまして。
要因ひとつで消し飛ぶということ
ネットに依存する業界ですし、ネット検索もグーグルやヤフーに大分偏っています。
検索アルゴリズムが大きく変われば、今まで流入の見込めていたお客さんが来なくなっちゃう可能性もゼロではありません。
楽天市場やYahoo!ショッピングといったモールへ出店する形式をとりますが、ある日突然モールが消滅するかもしれません。サービス終了とか。
まぁこんなこと言いだせば切りがないんですが、とにかく今ある売り上げは盤石だと思わないことが大切だと感じます。
宅配業者が無くなっても成り立ちませんしね。
とにかく受け身で左右されやすい
これは何かと言いますと、例えばお客様の店舗レビューなんかが良い例ではないでしょうか。
一度評価の低いレビューがついてしまえば消えることはなく、残り続けます。
そのあと反省をし、挽回をしたとしても、1度ついた悪評は半永久的に残り続けます。新規のお客様が、店舗の過去の一時的な評価を気にして離れていく事も実際にあるわけです。
こういった部分はネットショップならではだと思います。
あとは発送後の商品を受け取らない!と拒否られキャンセルされると、実質送料を取りっぱぐれるケースが多々あります。ごねられると負けちゃうというか。ごね得というか。
どうしても通販サイトは弱い立場にあるイメージが強いです。
でもこんな便利な営業形態は他にない
全世界に一瞬で情報発信できるインターネット上に店舗を構えることは、やはり魅力的です。
新商品を取り扱う場合でも、SNSやメルマガの発信で一定数以上には確実に告知できますし、拡散による商品の伝播も狙えます。
一件一件お客様にセールスしていくスタイルとは全く別次元のスピード感がここにはあります。
ただし、このスピードは 良い面にも悪い面にも働きますから注意が必要です。
悪評や辛口レビューが浸透するスピードも嘘のように早いです。ここは根本的な問題可決に取り組み、信用回復に励むしかありません。
ネット上に発信する情報は想像を超えるスピードで広がる意識を持ち、うまく利用する事が大切です。
通販サイトはいい意味で自動販売機ではない
いい意味で、というところがミソ。
その辺の自動販売機ってお金入れてボタンを押せばジュースが出てくる。単純で素っ気ないかもしれないけど、最低限お客様の期待には応えてますよね。
「欲しいジュースをその場で買って飲める」
通販サイトも購入完了まで誰とも顔を合わすことなく、欲しい物をクリックだけで購入できてしまいます。そういった点では自販機に似てるかもしれない。
けど、通販サイトは中に人が居て運営してるところが大切なわけで。決して自販機には出せないサービス精神を出すことができるんです。
問い合わせに誠意を持って応えること
自販機にジュースの成分や類似品の紹介を問い合わせても応えてくれません。
AI技術が進化して自販機に組み込まれるなら話は変わりますが、現状はまだ応えてくれません。
しかし、通販サイトの問い合わせ窓口に電話やメールで問い合わせれば、中の人が文章を考えて返信したり、丁寧に電話で応待します。店舗によっては電話で注文を受けたりもします。
通販サイトの運営では、この臨機応変な対応をひとつのサービスとしてお客様に提供することができます。こうしてみると、実店舗と殆ど変わらないですよね。
むしろ顔色が伺えない分難しい部分もあります。
どんな問い合わせにも全力で調べ、誠心誠意の対応を心がけています。
自社商品の良さを心からアピールする
ECサイト運営においては自社店舗の会員様へメルマガを発行することができます。そこでは新商品やお勧めの商品、お悩み解決と題してピックアップ商品を宣伝し、売り込むことができます。
自販機ではその場に設置し、欲しい人が求めて買うことに対して、通販サイトではこちらから積極的に売り込むことができます。
検索で求められなければ商品ページを見てもらえないと思いがちですが、メルマガや店舗トップでのバナー掲載、広告掲載、SNSでの告知など、かなり積極的にセールスしていくことができます。
ここでも売り売りしすぎずに、自社商品を利用する客層を把握し、そのお客様が抱えているであろう悩みを想定します。その悩みを解決するポイントやコツなんかをメルマガの内容として発行し、お勧めの商品を1~2点掲載したりすれば、結果的にお客様がその商品を求める形となるでしょう。win-winです。きっかけはこれぐらいシンプルが良いと思います。
面と向かって商売する機会はありませんが、やはり機械相手ではあり得ないような心に訴えかけるセールスを意識したいです。
ECサイトの運営者でもありお客様でもある
日々ECサイトの運営に携わっていて、自社の商品をどう売ろうかどう売ろうかということばかり考えていると、どーもお客様での視点っていうか、顧客心理を忘れがちです。
メルマガを構成しても売りつけようとしている空気がでてしまうというか…。
どんなお客様に向けたメッセージなのか?
どんな悩みを自社製品で解決してあげたいのか?
どんな心理でうちのメルマガを購読し、クリックするのか?
この辺を意識することを意識しないと、無意識に目の前の仕事だけに取り組んでいては、心がこもらないなと感じました。
自分が通販で買い物をする時に
こういった顧客心理を考える時に一番手っ取り早い方法は「自分が顧客になる」ことだと思います。
私もよく通販を利用します。通販で買い物をすると、だいたいのお店では受注完了メール、発送完了メール、フォローメールというメールが届きます。
その時に、メールの内容を読み「あーこの店舗はこういう風に書いてるんだなー」とか参考になる部分を勉強します。
他にもその店舗が発信してるメルマガも読んだりしますね。実際業務に関わっていると「タイトル」「企画内容」「デザイン」などで毎週毎週頭を抱えて悩んでいます。そういう時にちょっと他店舗のニュアンスを参考にしたり、頭を整理するのに役立てたりしています。
これらは実際にいろんなネットショップでお買い物をしてみて、お客さんになってみることで気づくことなので、そこはEC業界に関わっている人間として嫌煙することなく、調査の意味もこめて利用していくべきかなーって思います。
自社サイトを客観的目線で観察する
仕事をすることで始めて自社サイトの存在を知り、メルマガを発信し、商品ページを作成することになったと思いますが、実際に自社の商品を求めるお客様としてみてみるとどうでしょうか?
わかりにくい商品ページになっていないでしょうか?
流行の商品・欲しい商品がすぐに検索できるでしょうか?
思わず購入するようなLPになっているでしょうか?
作り手としては、時間をかけて作ったバナーをあれもこれも見てもらいたいという気持ちがあり、トップページにバンバン貼り付けてしまいがちですが、客観的に見ると「このお店はどの商品をお勧めしているんだろうか…?」とイマイチ伝わらない感じになっていたりします。
心からお勧めしたい商品があるのなら、その商品バナーだけをシンプルにトップへ掲載するなどの工夫が必要ですよね。
あと1日だけ待っていただけませんか?
通販サイトで買い物した時って、荷物届くのが待ち遠しいよね。発送の速さでお店選んだり。
わかるよ。その気持ちはめっちゃわかるよ。
でもお客さんのその気持ちって、ちょっとしたことで裏返って催促とかキャンセルとかクレームに繋がっちゃうんだなーって。
今日対応したお客様の話を聞いて、思いました。
発送後キャンセルというイレギュラー
お店から一度発送が完了した荷物って、基本的にはもう届くまでは簡単に止められないっていうか。止まらないんですよ。
やっぱり発送するお店も運ぶ運送会社も可能な限り最短でお届けしたいという想いで動いてますからね。日時指定が無ければ基本タイムアタックです。
その仕組みの中で購入から発送して1-2日後にキャンセルの連絡があると…非常に困るわけですよね。
だってその日中にでも配達完了になる可能性が高いわけですし。それでもいらない、キャンセル・返金だ!って言うのなら返送してもらう手間と返送料が発生しちゃいますし。
通販は買った後の「やっぱいーらない」を言うタイミングが非常に短いということだけ意識していただきたいんです。
商品が運ばれていることを意識してほしい
通販サイトでモノを買ったとき、購入を確定ボタンを押してから、ロボットが自動でお客様の家まで商品を届けるわけじゃーないんです。
やっぱり運送会社の方、そう人間が運んでるんですよね。
そうやって誰かが夜通し運送している姿を、ちょっとでいいから想像してほしいんです。宅配便は伝票番号がついてて、その番号で荷物を追跡すると、システマチックに見えるもんで、汗水流している感が薄いんです。
自分の注文した荷物を、誰かが運んでいる姿を想像できれば、あまりにも無茶な言い分は減ると思うわけですよ。
急用やどうしても外せない理由で、キャンセルになる場合もあるかもしれないですが、その場合は頭ごなしにキャンセルを通すのではなく、少しぐらいは申し訳なさそうにお願いしてほしいものだな、と。そう思ったりもするわけです。
ネットショップってめちゃくちゃ立場弱いからね。
転職は別に悪い事でもなんでもない
転職に対する漠然としたネガティブイメージ。
「え!?転職するの!?」「転職先決まった?別に辞める事ないんじゃないの?」転職に対する人々の反応は様々ですが、結構な確率で驚かれたり、かばわれたり心配されたりします。日常イベントでは決してない雰囲気がでてきます。
確かに転職ばかりしている人は少し偏ったイメージを持たれがちです。「どんな職についても長続きしないー」とか「人付き合いが下手だー」とか。職種にあまり関係ない部分でネガティブなイメージがついたりします。
でも転職にも色々あって、「自分が本当に挑戦したい仕事は今の仕事じゃなくって、IT業界なんだ!」「自分が勉強してきたITの知識で、この業界でどこまでできるかチャレンジだ!」っていうポジティブな理由での転職ももちろんあるわけです。そういう人はガンガン転職したらいいと思います。もちろん勉強した上で、ですけどね。
続きを読むスマホもPCも使えるようになろう
こんなタイトルの記事、一昔前までは書かれるわけもない記事だったけど最近の若い方のPC離れから見ると、ちょっと離れすぎだなーっていう感覚があるので、書いてみました。
それだけスマホファーストな生活になってるってことですよね。
ネットサーフィンもスマホ、通販もスマホ、娯楽もスマホ、もちろん連絡手段もスマホ。
スマホ1台あれば、あとは必要ないよねって。だからスマホの操作をマスターしてしまえば便利だし、パソコンの難しい操作なんて覚えてなくても、支障ないよねって。きっとそんな感覚で今の10代、20代の人たちはあまりPCを触らないのかもしれません。
今30代の人たちにとっては、現状のスマホの位置にパソコンがあったんです。
今の若者がスマホを見るキラキラした目で、パソコンを見ていたわけです。そりゃ、パソコンの操作も覚えるよね。知らないうちにブラインドタッチできちゃってるよね。タイピングもゲームで覚えちゃう、みたいな。
ちょっと話が逸れましたが、じゃぁスマホだけ習得してPCを蔑ろにした場合に何がいけないのかを考えてみましょう。
仕事に支障をきたす
デスクワークを希望する場合、PCが使えない時点でかなり厳しいのが現状です。
日報を提出するのも、お客様に送るメールも、進捗管理も、店舗トップページの修正も、メルマガ発信も、ぜーんぶPCが使えなきゃできないんです。デスクワーク=PC。これはもう時代の流れとして受け入れざるをえません。
いくら日常でスマホを頻繁に使うとは言え、デスクワークな職種を希望するのなら、まずは最低限ブラインドタッチは習得しましょう。キーボードを見ずに全てのキーを押せるようになることです。手元を見ながらキーボードを打つのでは、手書きにとってかわる意味がありませんからね。
サービスはほぼPCで開発されているという現実
日頃スマホで見ているサイト、アプリ、動画なんかほほぼ全てPCで作成されているものです。なかにはスマホやタブレットでアプリを使用し、作成されているものもあるかも知れませんが、ごく一部といって良いでしょう。
つまり仕事をするうえで、サービスを提供する側になる場合PCによる作業が欠かせないということです。
iPhoneのアプリを開発する業務ならMacでの開発環境や操作を覚える必要がでてくることでしょう。一応Windowsでも開発はできますが、そこは両方の手法を理解し、開発内容によって提案していく必要があります。
ECの場合は、店舗ページの構築はすべてPC作業によってできています。商品の写真や個々のページの修正ぐらいならばスマホ、タブレットでもできなくはないですが、スピードや見た目を求められる場合、やはりPCによる作業は欠かせません。一度に大量の商品データ(CSV)を取り扱うことも、頻繁にあります。そういっ場合もPCによる作業が円滑です。
スマホは便利です。
しかし、スマホはまだ消費するためのツールだと私は思います。提供する側になる場合、PCによるサービス作成・提供は避けられないと思います。また10年後にはどうなっているかわかりませんけどね。
出荷・梱包作業は自分から進んで取り組もう
小〜中規模のEC店舗では必要不可欠な作業として「梱包作業」があります。外部委託していない会社ならば、専属の梱包作業員や事務所メンバーが手伝いとしてせっせと作業していることでしょう。
特に楽天市場へ出店している会社ですと、スーパーSALEやマラソンといったイベント時には注文数が増え、梱包作業の手が足りなくなることだってあるわけです。
その場合、普段事務所でお客様対応やページ修正、バナー作成などを主に担当している社員でも、梱包作業に駆り出されることがあります。
人によっては梱包作業のやり甲斐を見出せず、作業自体が苦痛になり、最悪転職を考えることも…そんな負のスパイラルに陥らないように少し考え方を変えてみてはいかがでしょうか。
店舗内商品を覚える絶好の機会
事務所メンバーは商品ページの写真で商品を確認することは多いですが、実物を見る機会は少ないです。
何かの機会に実物を見た時、思ってた商品と違った、なんてことは結構あるわけです。
しかし、梱包作業に積極的に参加していれば、自然と商品の実物を確認できます。電話の問い合わせ対応で調べるまでもなく即答できる機会が増えるかもしれません。
やはり自店舗で取り扱っている商品を知ることは、基本だと思います。
お客様との関わりを強く感じられる作業
段ボール箱に商品と緩衝材と納品書を同梱し、テープで封をして送り状を貼り付ける作業。と、文章で書くとちょっとつまらなそうな、単調な作業に感じてしまいますが、考え方次第ではとても大切な作業だということがわかります。
この段ボールを次に開けるのは、商品を購入したお客様なんです。 少なからず買った商品へ期待をした状態で、開封するわけです。この期待やワクワクを、梱包状態が汚いといった理由で落としてしまうわけにはいきません。商品に感動し、梱包状態にまで感動していただけるような、そんな荷物を作っていきたいです。
開けた瞬間、目に入ってくる商品の並びがキレイに揃っていて、緩衝材も適切な量がキレイに敷かれていれば、それだけで商品への期待も膨らむわけです。梱包状態は商品の魅力を演出することにも一役かっているんですね。